こんにちは、かぶまるです。
株を勉強すると真っ先に耳にするであろうバリュー投資についてその本質に迫ってみたいと思います。
投資の世界で絶対はありません。
バリュー投資もメリットがある分だけデメリットも多いのでそこら辺について説明させていただきたいと思います。
バリュー投資は株を始めたばかりの初心者が一番に目が行きやすく万能な投資法と勘違いしがちです。
とりあえず指標的に割安な株を買っておけ、って考えられている方は要注意です。
目次(お好きなタイトルからお読みください)
バリュー投資の簡単な説明
最近は一言でバリュー投資と言っても 投資家によって考え方は様々なようです。
優待バリュー投資や、配当バリュー株、資産バリュー株などいろいろな名前を目にする事があります。
バリューとは価値・値打ちという意味です。
つまり価値ある株に投資するという意味で捉えるなら幅広いバリュー株が存在するのも納得できます。
ただ、バリュー投資とは本来、一般的にバリュー投資とはPERやPBRの指標をもとに相対的に割安と言われている銘柄を買っていく手法です。
会社の価値より株価が低いので、下落リスクは限定的で今後評価が見直される事で株価が上昇する事を期待して保有しつづけます。
PERとは株価÷一株当たり利益(EPS)で算出され株価が1000円で一株当たりの利益が100円ならPER10という事になりおよそ10年で元が取れる事が期待されます。
PBRとは1株当たりの純資産(注)に対し、株価が何倍まで買われているかを数値化したものです。
PBRが1を切っていれば会社の資産より株価が安いことになります。
理論上ですが万が一会社が解散しても投資金額以上のお金が返ってくる事になります。
割安株が欲しければ証券会社のツールなどでPERやPBRの低い銘柄をスクリーニングして買っていく事になります。
ただ単純に指標の低い銘柄を買うだけではなかなか資産が増えないのです。
そうバリュー投資って一見簡単そうに見えます。
投資家の登竜門的な感じです。
株を買おうと思ってその手法を調べ始めた時、必ず行き着くと言っていいのがバリュー投資。
しかしながら、そのバリュー投資はどこまでも奥深くとどまる事はありません。
なぜ割安株なのか考える
PERやPBRが極端に低い銘柄も存在します。
どうしてそんなに割安株なのかわかりますか?
普通ならPBRが1を切る状態は異常事態です。
だって毎年収益をあげ配当金がもらえる上、株価が会社の価値より低いってありえますか?
よく考えるとわかりますが割安株を買うって事は、人々が買わない株を買っていく事になります。
銀行株を見てください。
他の業種より明らかに配当金が高くてPERやPBRが低い状態にあります。
何故でしょう?
貯金の何十倍という利回りに加えて株価が異常に安いのです。
それは過去、大手の銀行が金融危機で被った損失で資金繰りが悪化したため新たに新株を発行し続けた経緯があるからです。
新規株式を発行すれば既存の株主にとって1株当たりの価値は減少します。
ここらへんは株の知識がついてくるまではちょっと難しいかもしれません。
新株を発行し続け株価は下落の一途をたどり銀行株の信用と合わせて今の株価に落ち着いてきました。
またこれ以上成長の見込みが薄い会社も割安になりがちです。
業界自体が斜陽産業であり減収減益の場合とうぜん株価は安い状態で放置されてしまいます。
バーゲンセールで売っている商品は誰の目にもふれず売れ残りだという事です。
安くで買う事はできるけど、誰も見向きもせず割引の値札が何枚も貼られた状態だという事です。
つまり単純に割安株だという理由だけで買ってもなかなか資産は増えていかないのです。
割安株は成長株にくらべ下落リスクは少ないかもしれませんが、その分リターンも少なくなってしまう事は覚えておきましょう。
それでもバリュー投資をする価値はある
つまり単純にスクリーニングで割安だからと飛びつくのではなく財務状況はどうなんだろうかと自己資本率も見てみましょう。
過去、順調に業績は推移しているのか。
売上高、経常利益、純利益の推移も見てみましょう。
四季報に過去の業績を一覧で記載されてますので簡単にみる事が出来ます。
また株主優待を導入している企業もあり株主優待目当てという考え方も事もあります。
事業拡大や設備投資の為に一時的に経費がかかり赤字に陥り、株価が下がっている企業もありますが将来的に成長を見込める企業もあります。
特に会社が大きく成長しなくても安定的に配当金を捻出してくれればそれでいい。貯金替わりに投資している方もおられます。
人によって価値を見出す基準は違いますが、自分にとって魅力的な企業なら投資する価値があるという事です。
どこに価値を見出せるかは人によって違います。
バリュー投資と言っても100人いれば100通りの考え方があるのです。
バリュー投資は想像力を必要とします。
指標や数値をもとにどうしてこのような状況に陥ったのか、そして今後はどのように推移していくのかを考えなければなりません。
どういうストーリーを描き自分がどういう目的で保有しているのかをしっかり認識しておく事です。
その会社の経営者でない限り、すべてを知りえる事はありえません。
会社を買う訳ですから急がずゆっくり調べてから買うようにしましょう。
私は会社を調べる時は自分がその企業に就職するつもりで調べます。
自分が働く会社がつぶれては困るので、財務が健全かどうか調べます。
できれば将来性も欲しいですよね。会社が成長して給料はベースアップしてもらいたいもの。だから成長性も考えたいですね。
その会社が法律を順守しているか、従業員の事をどう考えているか口コミを調べます。
コンプライアンスを順守しない会社は一時的に利益をあげていてもそれは、事業で得た利益でなく従業員の犠牲から成り立っている利益の場合があるからです。
自分が納得して買う事が重要です。
数字だけみるのではなく 数字に隠された背景を考えてみる事にしましょう。
もっと会社について知りたくなったならIRを徹底的に調べましょう。
どうしても解決できない疑問点があればIR担当者に聞いてみてもいいかと思います。
バリュー投資は精神的にきつい
バリュー投資家は必然的に逆張り投資家になります。
成長株を年初来最高値を追いかけて買う手法に比べ地味で時間がかかります。
会社に価値を感じていても理由もなく株価が暴落してしまう事もあります。
バリュー投資家は投機家ではありませんので株に価値を見出せているのであれば我慢して所有し続けます。
損切りに対する考え方が株価を追う投資家と企業価値を追う投資家では違います。
株価を追う投資家は株価が一定ラインを切れば強制的に損切りをするので非常にわかりやすいし大やけどを負う事もありません。
それに対し、バリュー投資家は株価以上に企業価値を追っていきます。
理由なき暴落はさらなるバーゲンセール到来という事になります。
企業の利益や資産に変動のない状況での株価下落はPERやPBRがさらに低下して配当金の利回りはあがる事になります。
より市場は非効率的になり企業価値と株価のひずみは大きくなっていきます。
そしてバリュー投資家はたんたんと下落相場を買い進めていかなければなりません。
バリュー投資家は世間やネットで下手なナンピンすかんぴんと言われ、口座を見れば含み損が増していく状況に耐えなければなりません。
落ちるナイフを喜んでつかんでいかなければなりません。
右手でつかんでそれでもまだなお落ちるなら左手で、最後までナイフを受け止めなければなりません。
もうね、バリュー投資家の感覚は普通じゃありません。
普通は下落相場では不安と恐怖に満ち溢れ、いかに相場から逃げるかを考えます。
そこを買い進もうなんて考える人はまれなんです。
でも、本当に資産を増やし続けているバリュー投資家は暴落にも暴騰にも逃げずに立ち向かっています。
リーマンショックでみなが株から逃げている時に果敢に買い進めていき、アベノミクスで世間が浮かれている時にこっそり現金を蓄えてきているのです。
世間と真逆をいくバリュー投資家は世間から見れば異端者であります。
損切りして心をすっきりさせたい人間のサガに逆らい続けるのです。
投資は1年は2年で終わるものじゃないです。10年20年と付き合い続けなければならない。
成長株を買うのも、割安株を買うのも、優待を買うのも自分の自由です。
ただ株とは長期にわたって付き合い続けなければならないので自分のスタイルに合った手法を見つけ出すことが一番ですね。
自分のスタイルが確立するまでが一番大変な時期となります。
ところで世間が株だ株だと騒がれ始めた時、学生や主婦が喜んで株を買い始める時は天井と言われ、機関投資家はこっそり株を売り始めているとも言われています。
億トレーダーで賑わい、書店では株の関連書籍でいっぱいになり、Twitterでは株つらい株つらいと騒がれているこの状況はどう見ればよいのでしょうかね??!
将来の株価を予想するのは極めて難しく、誰が予想しても外れる可能性はあります。
ただリーマンショック以降、登り続けてきた少々相場もかなり長い期間続いてきました。
一つ言えるのは一方的な相場というのは存在しないという事。
上昇相場があれば、本格的な下落相場も必ず訪れます。
ただそれがいつになるか正確に予想する事ができないのです。
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