ずいぶん前の話ですが履歴書の特技欄にExcelとかかれた方を新たに雇って業務にあたった事があります。
毎日伝票の数字をExcelに打ち込んで日計を出していく簡単な仕事をお願いしました。
仕事内容とすれば、但し書きと金額をExcelに打ち込んで、オートSUMを使うだけです。
もちろん特技が、Excelなので特段教えなくとも伝票の打ち込みと日計くらいはスラスラとこなすものだと思い込んでいました。
見ていると熱心にパソコンに打ち込んでいってくれています。
パチパチ軽快な音をならしながら、パソコンと電卓を打ち込んでいく姿はさすが特技Excelだと感心して見ていたものです。
さて、仕事の進捗状況を見ていると午前中いっぱいかかってまだ集計が終わっていません。
私が作業をすると3時間程度で終わる程度の量です。
「んん?どうしたんだ?!」
そう思いながら午後からExcelのシートを見させていただきました。
すると衝撃的な事実が判明いたしました!
伝票の但し書きと、販売先、金額は正確に入力されているようです。
でも…オートSUM使っていなくて電卓で合計していたようですね…。
えっ…。
話を聞くと、
「いやーこうも項目が多かったら電卓を叩くたびに金額が違ってくるのですよね!」
「大丈夫です。午後からもう一度電卓を入れ直します。きちんと数字を合わせてますので。ご安心ください。」
とドヤ顔で言って来ます。
いやいや安心できないから…。
それは衝撃的でした。
販売先の入力もVLOOKUPで数字を入れ込むだけで、会社名が反映されるように設定しておいたのですが、すべて手作業でされていたようです。
あぁー…。
”どうやらExcelが使えるというのはワープロ的に数字や文字の入力ができるというレベルだったのようすね。”
もちろん最初にオートSUMやVLOOKUP程度の知識があると思い込み、仕事を任せきりにした私に責任があります。
これから特技欄のExcelというのはあてにしないようにしました。
Excelほど人によって能力の違いがでるビジネスソフトはありません。
ビジネスの場でWordとExcelが使えるのは基本中の基本です。
Wordに関してはあまり人によって能力の差は感じられません。
しかし、Excelは奥が深く、関数を勉強しだすと底沼です。
オートSUMが使えずに、私はExcelができますという人が存在することは本当に衝撃的でした。
伝票を何十も入力してその数字を足し込むのに電卓を使っているとは…。
オートSUMを使えば30秒で終わる作業を何度も繰り返し、数字が一致しないと嘆いているのです。
あまりに気になったので新しく採用した方に聞いてみました。
「今までの会社ではこういう計算はすべて電卓でしていたのですか?!」
「もちろんです。2回連続で一致するまで電卓を入れるのが決まりです。」
「会社の伝票名は一回一回手打ちで入力していたのですか?」
「このリストで入力できる機能便利ですね。はじめて知りました。たぶん前の会社では誰も知らなかったとおもいますよ。」
えぇ…。
Excelにはさまざまな機能が備わっていて、多くの入力や計算を簡素化できるのです。
そんな生産性の悪い会社もあるもんなんだと、これまた衝撃を受けた瞬間です。
その方も、知らなかっただけで一度こういう機能があるとしれば、テンポよく入力していってくれるようになりました。
分厚い本で勉強しなくても「Excelの基礎」程度でいいので、使い方を学んでから、履歴書に特技としてあげてもらいたいものです。
コメント