どこの企業でも、雇用契約に基づいて有給休暇が付与されます。
しかし、有給休暇ってなかなか取りにくい現実は続いています。
さて、有給休暇は義務化されました。
10日以上の年次有給休暇が付与される労働者が、年に5日以上の有給休暇を取得することを企業側の義務とする内容です。
私の会社では、有給休暇の促進を目指すという方針のもと消化率向上を目指していますが、そんな甘い話ではありません。
業務をまわす事が最優先となりますので、有給休暇って実際には取りにくいのです。
業種にもよるかと思いますが、平日は毎日出勤して当たり前が前提なのです。
目次(お好きなタイトルからお読みください)
有給休暇を取りにくい理由は
法律で有休休暇の取得が義務付けられました。それでも有給休暇って取りにくいですよね。
どうしてこんなにも有休休暇が取りにくいのか、自分の体験をまじえながら考えてみました。
原因1 上司の顔色
有給休暇の申請用紙を提出するとだいたい嫌な顔をされます。
そして、何か用事あるの?とか理由を聞かれるのです。
用事がなくても有給休暇なので休んでいいはずです。
仕事で疲れているので、という理由でもいい訳ですね。
しかし、勝手に冠婚葬祭はOK、旅行は年一回とか勝手に決める法律を知らない上司に当たった事も。
申請の手続きも面倒だし、いちいち理由を説明するのもうっとしいのです。
有給休暇は労働者の権利なんだから、余程の理由がない限りは黙って受け付けて欲しいものです。
原因2 仕事がたまる
有給休暇で休むのはいいけど、仕事がたまっていくだけなんですよね。
休んでいる時に、誰か別の方が仕事をしてくれる訳ではありません。
連休なんてとってしまうと、その後が大変なのです。
机に電話連絡のメモがベタベタ貼ってあるし、部下からは決裁が自分の机においてあり、上司からは書類の不備が付箋つけて返されています。
有休休暇後に出勤すると嫌がらせかと思うくらいに仕事がたまっているのです。
有給休暇を取得後が大変なので、忙しい時期には取得を見送ったりしていると、なかなか有給休暇の消化ができないのが実情ですね。
原因3 引き継ぎが大変
自分でなんとかなる仕事は、置いておきますが、お客さん相手だったり、対社外の仕事は誰なりに引き継いでおかなければなりません。
1から経緯を話さなければなりませんので、お互いに大変。
するとこんな日に休むなよ…って話になるのですよね。
まわりの影響を考えると、なかなか有給休暇を使うチャンスって限られてきます。
どうしても休まなければいけない用事がある時以外は、わざわざ大変な引継ぎをしてまで休もうと思わない訳です。
原因4 平日休むと電話ラッシュ
さぁ、実際に休んで遊びに行ったとしましょう。
夏休みの話ですね。
家族でプールに行って泳いだあとにスマホを見ると恐ろしい数の着信履歴が…。
引き継ぎはしてありますが、あの件はどうですが?誰々から緊急の電話がありましたがどう答えたらいいのか?など休んでいるうちに問題は発生する訳です。
自分が担当している事なので、電話越しに指示を出します。
休みの度にこれですよ。
子供の運動会の時も電話がかかってくるし、家族旅行の途中でもお構いなしなので、げんなりきます。
仕事だから仕方ないのですが、有給休暇をとって、遊んでいる途中に仕事の話が入ってくると精神的に疲れるのです。
大概、ろくでもない電話ばかりなので、休暇中でも心が休まらないのです。
原因5 お金で穏便に解決?
有給休暇の消化率向上を目指している会社で働いていますが、最後は有給休暇の買い取りです。
実質、買い取りをしてもらえるだけまだ良心的なのかもしれません。
どこの企業でも行われている有給休暇の消化方法は以下の通りです。
平日に休日を指定して、休日出勤を命じます。
もちろん休日出勤のお金は発生します。そして土曜日に有給休暇を取得するのです。
するとあら不思議。
いつも通りに勤務しているのに有給休暇はどんどん取得できていきます。
有給休暇の取得率はあがるのですが、実際は有給休暇の買い取りですね。
このやり方は会社と労働者が合意していたら何の問題もありません。
有給休暇でリフレッシュするという本来の目的とはかけ離れていますが、違法でないのでまかり通るのです。
管理者からお願いされたらそうそう断れないので、有給休暇の実質買い取りがまかり通ってしまうのです。
有給休暇は社風に左右される
有給休暇がどれくらい取得できるかって完全に会社次第のところもあります。
年末年始やお盆の時期を長めに設定して、社員全員で有給休暇を取る会社もあるでしょう。
人員に余裕をもたせならがら計画的に完全取得を目指している会社もある事でしょう。
私のところみたいに高い有給取得率なのに、実際は買い上げみたいな事をしている会社もあるでしょう。
だいたい一年も働けばここの会社が有給を取りやすいかどうかの見分けがつくはずです。
年に20日ってめちゃくちゃ大きいです。月当たり約1.5日自分の時間が増える訳ですからね。
経営者にとっては頭の痛い有給休暇かもしれません。
しかし、しっかり休みを取れる事で心身ともにリフレッシュしてゆとりを持って仕事にのぞめるようになります。
これからますます労働人口が減っていく中で、しっかりと有給休暇を取得できるという事も労働者の確保に繋がるかと思います。
会社が繁栄していく為にも、経営者は真に有給休暇の完全取得を目指していただきたいと思います。
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