資産の運用先として金に投資されている方もおられます。
資産運用の基本は分散投資となり、その投資先の一つとして金は根強い人気があります。
投資信託やETFではなく、実際に金貨を持ったり、金の延べ棒を持つと言うのは多くの方が憧れるところではないでしょうか?
目次(お好きなタイトルからお読みください)
金の価値は?
金に投資されている方は金の価値は今後とも上昇するという見込みのもとに、投資をさせているかと思います。
金に価値は金を欲しがる人が増える事で価値が増えていきます。
株や不動産に変わる資産として、金を欲しがる人が増えれば増えるほど、価値が上がっていく事になります。
現在、金価格は過去高水準レベルの価格となっています。
金は昔から資産価値のある貴金属として取り扱われてきた歴史があります。
歴史で金本位制っていう言葉を学んだことありましたよね?金が世界貨幣の価値水準を表す時代もあったくらいなのです。
それでは金はなぜこんなにも価値のあるものとして考えられているのでしょうか?
金の絶対量
金の価値はその絶対量が決まっているからです。
人類の歴史の中でも金が採掘されたのはだいたい17万トンと言われています。これはプール3杯分の量です。
4000年~6000年かけて掘り出してたったそれだけなのです。
金の価値はその絶対量が限られており、埋蔵したくても、その量に限界があるという事なのです。
権力を持つ誰かが、金の流通量を2倍にしようとしても物理的に不可能なので、その価値は普遍的とも言われています。
金は今でも採掘されています。
世界中でその採掘技術を駆使して埋蔵されて、毎年約2400トンペースでの採掘しか無理なのです。
通貨と比べて安定した価値がある
一方で紙幣や貨幣は自由に発行し放題という状況にあります。
円でも、ドルでも政府や中央銀行の思惑次第でその流通量を操作する事ができます。
現在日本の国債の発行残高は1000兆を超えると言われています。
これだけの金額の国債を発行して、お金を集めてきました。そして、借りたお金は返さなければなりません。
しかし、あまりにも大きな金額です。どうすればいいのでしょうか?
円の価値を下げればいいのです。どんどんお金を刷ってインフレをおこせば実質、借金は減った事になります。
2倍のインフレになれば、借金の実質の価値は半分になる訳ですからね。
金はその絶対量がほぼ決まっているのに対して、通貨は絶対量に限界がないという事が最大の違いと言えるでしょう。
インフレ対策に金を持つ
つまり通貨を金に変えて保有しておくという事はインフレ対策にもなるという事ですね。
通貨の価値が下がるという事は金の価値は上がるという事です。
もし、2倍のインフレが起こったとしても、金で保有していればそれなりに価格は上昇している可能性が高いという事です。
通貨の価値が下がった時に、交換すれば儲かるという訳になります。
昔から金はインフレ対策の一つとして多くの方が保有してきたという訳です。
まぁ逆に言えばデフレには弱いという事になりますが…。
有事の際の金
滅多にないし、あってはならない事とは思いますが、もし、本当に日本の国債が大暴落してしまったり、戦争が始まったりすれば、日本円は暴落します。
どれくらい暴落するかなんて誰にも予想はできません。しかし、世界には通貨が廃止されたなんて国もあるのです。
まぁ極端な例ですがジンバブエドルは年間インフレ率が2億3100万%を記録したと言われています。
どんでもないインフレですね。去年はパンが1個100円だったのに、気づけば2億3100万円になっていたという無茶苦茶な話です。
まぁ実際に日本でそんな事は起きませんが、通貨の価値は大きく変動する可能性があるという事だけでも頭に入れておきましょう。
金への投資方法
実際に金を買うにはどうすればいいのでしょうか?
金を現物で持つという方法もありますが、さすがに家に金の現物を保有しておくのは防犯上よろしくないかと思います。
実際にはゴールドETF、投資信託を利用するのが現実的だと思います。
ゴールドETFは金価格に連動するように運用されています。市場を通して売買できます。
例えば資産の10%をゴールドETFで持っておくなど、自分なりにルールを決めて運用していけば、資産の分散効果もでて、リスクヘッジとして有効かと思います。
金の最大のデメリット
金やゴールドETF最大の弱点は金そのものは何の価値も生み出さないという事ですね。
例えば株なら企業が生み出した利益を元に、株主に配当金という形で還元されていきます。
不動産なら、物件を貸してその賃料を得続ける事ができます。
株や不動産は長期投資をしていれば、配当金や賃料が元値を超えた!なんて事がありえますが、金はどれだけ長期で保有していても、お金が貰えたり、保有している金の量が増えるという事はありません。
それどころかETFや投資信託には信託報酬という手数料がかかり続け、利益を圧迫する要因となります。
金そのものの価値が上がってくれない限りは投資家にメリットはないのです。
それゆえに資産運用においては金をメインに投資される方は少ないと言えるでしょう。資産の一部をリスクヘッジとして金で保有しておくというのが現実的かと思います。
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